川口高史 こだわりのエンクロージャー
● エンクロウジャーの役目は…
エンクロウジャーは、まずスピーカーの振動を受けとめて、その振動をうまくコントロールしなければなりません。うまくコントロールするには材質や重量などの条件も重要になります。つまり固すぎず、柔らかすぎず、重すぎず、軽すぎずということになります。
基本的にスピーカーから入ってくる音をいかに早く鳴らして、鳴りをいかに短時間に押さえるかということで、そうすると後から入ってくる音とかぶさらず、分離の良い音になります。それをダンピングの良い箱と言います。
● 音の振動エネルギー
音又を例に上げると…
音又を鳴らすといつまでも長時間鳴りますが、これを板または共鳴箱につけると、大きな音になり時間は1/5~1/10に短くなります。これは共鳴体が音又の振動エネルギーを音に変えたのです。一度に大きな音にすることで音又の鳴る時間を短くしたことになるのです。しかも音量は、一度に大きくなったのですから最も理想的といえます。
● 低音の良さ
ボックスの中の空気の量と定在波がポイントとなります。最も低在波の起きにくい寸法比をとり、スピーカー取り付け穴もずらしており、低音での特定なブーミングを起こさないようにしています。
天然材ムク板を使用することで、その粘りと強度を利用し十分に低音の音圧を上げることが可能となるのです。マルチホール方式をとっていますので部屋とかアンプでその量をコントロールできます。
f0は、スピーカーによっても異なりますが、大体28Hz~32Hzぐらいになり、コントラバスの最低音、大太鼓の重低音が静かに鳴ります。
● シンプルイズベスト!
私が考えるシンプルイズベストとは、スピーカーに関して言えば、コーン紙は軽く、マグネットは強いことです。まして1本のスピーカーから全体域が出せるのが理想です。
● ライブ等の生録に最適
CD、レコード等においてワンポイント録音とか、ライブ等は一番良く鳴るはずです。生録だとさらにこたえられない音になるでしょう。
ワンポイントマイクのヘッドホーンで聞いたときのその音が自分の部屋でも鳴らせないものかと十数年思考錯誤のうえ苦労を重ねて完成させた箱です。